Alteryx AMP Engine
2021.4.2 パッチのアップデート
Alteryxでは、完全アンインストールと再インストールを実行せずにDesignerまたはServerのインストールにパッチを適用できるようになりました。
21.4.2パッチとそれ以降のすべてのリリースには、AMP Engineの重要なセキュリティ修正が含まれています。
以前にベースバージョン2021.4.2.02731をインストールしている場合は、パッチを適用してください。
それ以外のすべてのバージョンについては、2021.4.2.07064 のフルバージョンをインストールしてください (このバージョンにはすでにパッチが含まれています)。
ダウンロード&ライセンスポータル から両方のアイテムをダウンロードできます。
ワークフローを実行する際に、その機能の背後にある仕組みがどうなっているのかに興味が湧くこともあるでしょう。この記事では、Alteryx Engineと新しいAlteryxマルチスレッド処理(AMP)エンジンの概要を説明します。
Alteryx Engineとは
Alteryx Engineは、ワークフローの各レコードを処理するオペレーターです。マシンのコアとRAM (メモリ)を使用してワークフローを実行します。
AMPとは
Alteryxマルチスレッド処理(AMP)は、Alteryx Engineの新しいアーキテクチャです。その名前が示すように、AMPは並列パケットでデータを処理するマルチスレッドコンセプトです。これに対し、従来のEngineアーキテクチャでは、ワークフローを実行する際に、1件ずつのレコードのデータを順番に処理します。
AMPを使用する理由
AMPは、大量のデータをより高速で処理するように設計されており、通常、マシンリソースを効率的に使用しながら、ワークフローをより迅速に実行できます。
AMPでは、合計で 177 ツールがサポートされています。完全にサポートされているツール166個と、一部のサポートされていない機能を従来のEngineにフォールバックする部分的サポートツールが11個提供されています。詳細については、AMPでのツール使用を参照してください。すべてのレポートおよびRツールがAMP対応になりました (インサイトレポーティングツールを除く)。7つのAMP専用コネクタツールとエンジンパリティユーティリティがあり、Community Galleryからダウンロードできます。
可用性
AMP Engineは、Designerバージョン2020.2以降で利用可能です。
AMPは、Designerバージョン2022.1から、すべての新規ワークフローの既定エンジンになります。
分析アプリやマクロのデバッグモードは、Designerバージョン2022.1.1パッチ1以降のAMP Engineで利用できます。
2024.2リリースから、コントロールコンテナのようなAMP専用機能を含むワークフローなど、すべてのワークフローでデバッグモードがサポートされるようになりました。
要件
AMP Engine は、ワークフローの 1 つのスレッドを処理するために 400 MB 以上のメモリ空き容量を必要とします。たとえば、8 スレッドの場合、実行時のメモリ空き容量が 3.2 GB 以上必要です。実行時に2.5 GBしか使用できない場合、AMPは6つのスレッドを使用して、最小400 MBを満たします。
スレッドの使用状況に合わせて、[メモリの上限]を設定します。AMPによるメモリ使用の詳細については、AMPメモリ使用を参照してください。
従来のEngineで構築された既存のワークフローにAMPを使用する必要がありますか?
AMPを使用することで、データの処理速度を大幅に上げることができます。ただし、使用可能なメモリやツールの使用に制限が生じる場合があります。
Designer 2022.3以降では、従来のEngineとAMPを簡単に比較できるエンジンパリティユーティリティを使用できます。両方のエンジンを並行して実行し、結果を評価して、どのワークフローが問題なく AMPに変換できるかを判断できます。エンジンパリティユーティリティの詳細については、エンジンパリティユーティリティを参照してください。
古いバージョンのDesignerを使用している場合は、以下の手順に基づいて決定できます。
既存のワークフローを従来のEngineで数回実行したあと、そのワークフローをAMP Engineでも数回実行します。
結果ウィンドウ(メッセージ、警告、エラー、実行時間)や他の結果データを比較して、相違点を確認します。
AMP Engineでワークフローが実行されたかどうかを確認するには、結果ウィンドウに「AMP Engineで[N]ワーカースレッドを実行しています」というメッセージが表示されているかをチェックします。

AMPを無効にする方法
注記
2022.1リリース以降、新規作成したすべてのワークフローでAMPが既定設定になっています。
AMP Engineは、ワークフローまたは[ユーザー設定]で無効にできます。従来のEngineとAMP Engineを切り替えるには、次の手順を実行してください。
ワークフロー設定
特定のワークフローでAMPを使用しない場合
キャンバスの空白の箇所を選択して、[ワークフロー - 設定]ウィンドウを表示します。
[ワークフロー - 設定]ウィンドウで、[ランタイム]タブを選択します。
[AMP Engineを使用する]チェックボックスをオフにします。
ワークフローを実行します。
ユーザー設定
新しいワークフローのすべてにAMPを使用しない場合
[オプション] > [ユーザー設定] > [ユーザー設定の編集]の順に選択します。
[ワークフロー]タブで、[すべての新しいワークフローにAMP Engineを使用する]チェックボックスをオフにします。
[保存]を選択します。

2023.1より前のAMPでは、Serverシステム設定の[Run engine at a lower priority](低い優先度でEngineを実行する)の設定は無視されます。AMPは選択に関係なく、常に低い優先度で実行されます。
2023.1以降では、 Alteryxシステム設定の低い優先度でEngineを実行するの設定がAMPで強制になります。これを設定せずにAMP Engineを実行すると、すべてのプロセッサーコアと大量のRAMが使用され(設定によって異なります)、システムの応答性が低下する可能性があります。これはサーバーの動作に影響を与える可能性があります。詳細については、Microsoftのヘルプページを参照してください。
プロキシのサポート
AMPはプロキシ経由のネットワークをサポートしています。SFTP over HTTPプロキシは、プロキシをバイパスする機能と同様に、AMPと従来のEngineの両方でサポートされています。
プロキシプロトコルタイプ(HTTPおよびSOCKS5h)は、[オプション] > [ユーザー設定] > [ユーザー設定の編集] > [プロキシ] > [プロキシ資格情報を有効にする]で指定できます。既定のプロキシプロトコルタイプはHTTPです。
管理者は、システム設定でプロキシを設定できます。[オプション] > [詳細オプション] > [システム設定] > [Engine] > [Proxy]の順に選択します。
制限事項
デッドロックを防ぐために、AMPが有効になっている場合、各ツールの最大接続数は32までに制限されます。
AMPについての詳細
このページは、Alteryx EngineとAMPの簡単な概要です。詳細については、次の記事をご覧ください。